今年になって映画館で観た映画 🎦『すばらしき世界』
🎦『すばらしき世界』
直木賞作家の佐木隆三が実在の人物をモデルに執筆したノンフィクション小説「身分帳」を原案とした西川美和監督の最新作。人生の大半を刑務所で過ごしてきた殺人犯の三上に役所広司、彼の社会復帰までをテレビ番組にしようと密着取材を行う津乃田を仲野太賀、TV局プロデューサ役を長澤まさみ、ほかに橋爪功や安田成美、六角精児、北村有起哉など実力派が脇を固める。
映画『すばらしき世界』15秒CM(ドラマ編) 2021年2月11日(木・祝)公開
◆あらすじ◆
「今度ばっかりは堅気ぞーー」優しく真っすぐすぎる男。争いごとにはすぐに首を突っ込むが真面目で不器用、正義感がありすぎるのだ。刑務所を出てどうやって普通の人生を取り戻していくのかーー。社会はそう簡単に彼を受け入れてはくれないのだった。
その男の名は三上正夫(役所)。4歳で芸者だった母親と離別し、養護施設で育つ。12歳で少年院10代半ばからは暴力団に関わり、たびたびの服役。最終的に、ホステス引き抜きの報復に日本刀を持ってやって来た若いヤクザを返り討ちにして殺人罪となる。
出所した三上のもとに、生き別れた母との感動の再会をクライマックスにした“ドキュメンタリー”番組にしようと津乃田(仲野)やプロデューサーが近寄る。几帳面で情に厚いが、沸き上がった怒りを抑えられない三上の行動を津乃田や彼を見守る優しい人々のを通して描かれていく。
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三上を演じる役所広司、私は今更ながら名優だと思う。映画を観てからテレビで役所がCMに出ている姿を見ると、私には三上にしか見えず、「ああ~三上さん 仕事見つかったんだ」と一瞬錯覚してしまうほど(大笑)で私の中では三上のおじさんになっていた。
公式:ソニー損保の自動車保険CM「確かめるガソリン屋さん(トリプル無制限)」篇30秒
津乃田役の仲野太賀、この頃活躍している。いい役者になりますね。二世タレントだそうです。
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★西川監督が小説「身分帳」の映画化にはもうひとつ大きな理由があるそうだ。
「この小説には、一人の元犯罪者の社会復帰の物語とは別に、私たちがもうすぐ完全に証人を失うはずの、日本の戦後史のアウトサイドが綴られている」からだという。
半藤一利さんの訃報が伝えられた際にも皆、感じたことだと思う。私たちは今、“戦争”の記憶を明確に共有しないまま、証人を失おうとしている。「身分帳」に描かれる戦争とは、戦後の急速な経済成長のなかで母親と離別し、社会に顧みられることのない存在として育った男のことだ。ヤクザになるしか生きる術のない子どもたちが、戦争の記憶とともに忘れられていく現在、彼らの生きた時代をすべて再現することができないならば、「この小説をもう一度、人に手に取ってもらうきっかけを作りたい」と西川監督は思ったのだという。「佐木さんを突き動かしてきた動機も、三上の人生も、やっぱり一顧だにされずに消えていくだけのものだったのかと思うに連れ、そりゃ違うんじゃないか、違うだろ、という煮えるような思いもまた私の中で追って湧き上がってくるのだ」と。
題名の『すばらしき世界』~私たちを取り囲んでいる世界ってどういうものなのか。皮肉なニュアンスを含めつついったい素晴らしい世界とは何でしょう?
あまり映画館には行けてませんがいい映画でした。